人とペットの災害対策

こんにちは!元住吉からき動物病院、看護師の本間です。先日3月11日、東日本大震災から8年がたちました。8年というと長く感じますが、今でも当時のことを鮮明に思い出すほど「あっという間の時間」と感じます。さて近年、地震や台風などの災害が多くなっておりますが、皆さんは災害が起こったときのために、日々どのような準備を行っておりますか?昨年2月に、「人とペットの災害対策ガイドライン」が改訂されました。災害に対する日頃の準備について、今一度確認するきっかけになれればと思います。

 

  • はじめに

災害が起こったときにはまず、自分の身の安全を確保したうえでペットを守りましょう。もしご自宅にいるときに地震が起こってしまったら、ということを想定してご自宅の耐震対策はしっかりと行うことが重要です。例えば、家具を固定したり、ペットのケージに重いものが落ちてこないようにすることなども耐震対策になります。また、豪雨などで増水する恐れがある場合、天気予報に注意し、あらかじめケージなどの場所を安全な場所へ移動したり、ペットが高いところに登って安全に避難できるような場所を用意しておくことも大切です。

 

  • しつけと健康管理

日頃からペットのしつけや健康管理を行っていると、災害が起こった時に非常に有効になります。例えば、ワンちゃんもネコちゃんも共通することですが、キャリーバッグに嫌がらずに入ることができれば、すぐに一緒に避難することができます。また、避難所で生活するにあたり、普段から人や動物に慣れさせておくことや、しつけもしておくと他の人とトラブルにならずに人と動物双方が安心できます。

★災害に備えたしつけと健康管理の例

犬の場合

・「待て」「おいで」「お座り」などの基本的なしつけを行う

・ケージなどの中に入ることに、日ごろから慣らしておく

・人や動物を怖がったり攻撃的にならないように慣らしておく

・決められた場所で排泄ができるようにする

・感染リスクを抑えるために狂犬病ワクチンや混合ワクチンの接種、

フィラリアやノミダニなどの寄生虫の予防・駆除する

・逸走時の繁殖を防止するために不妊去勢措置を行う

 

猫の場合

・ケージなどの中に入ることに、日ごろから慣らしておく

・人や動物を怖がったりしないように慣らしておく

・決められた場所で排泄ができるようにする

・感染リスクを抑えるために各種ワクチン接種、寄生虫の予防・駆除を行う

・逸走時の繁殖を防止するために不妊去勢措置を行う

 

  • ペットの所有者明示

災害が発生したときにもしもペットと離れ離れになってしまった場合、保護されたペットが飼い主の元に戻るためには、外から見えて誰でもすぐにわかる迷子札をつけるようにしましょう。また、マイクロチップを装着することにより飼い主の元に戻る可能性が極めて高くなります。マイクロチップには個体識別番号が記録されており、読取器で表示された番号をデータベースに登録されている飼い主の情報と照合することで飼い主が判明します。当院でもマイクロチップの装着を行えるため、マイクロチップの装着を検討中の方はご相談ください。

(※マイクロチップを装着した後は必ず日本獣医師会などに登録手続きを行いましょう。)

また、犬を飼っている方は、自治体が発行する犬の鑑札と狂犬病予防注射済票も身元確認に有効ですので、飼い犬に装着しましょう。

 

  • ペット用の避難用品・備蓄品

自宅での避難時や、避難所での生活に備えて、人間のものとは別にペット用の避難用品も用意しておく必要があります。備蓄品には優先順位を決めて優先度の高いものをすぐに持ち出せるようにしましょう。以下にまとめましたので、参考にしてください。(引用:人とペットの災害対策ガイドライン

避難時に必要な避難用品

犬の場合

・首輪とリード(小型犬はリードを付けた上でキャリーバッグにいれる)

・クレートやケージ(扉のついたもの)

・犬用靴下やバンテージ(瓦礫などによる怪我を防止する)

 

猫の場合

・キャリーバッグやケージ

(分解・破損がないように、扉が開いたりしないようにガムテープなどで周囲を固定するとよい)

 

ペット用の備蓄品と優先順位

優先度① 動物の健康や命に係るもの

・療法食、薬

・ペットフード、水(少なくとも5日分)

・キャリーバッグやケージ(小型犬、猫や小動物)

・予備の首輪、リード

・ペットシーツ

・排泄物の処理用具

・トイレ用品(猫:使い慣れた猫砂または使用済み猫砂の一部)

・食器

 

優先度② 情報

・飼い主の連絡先と、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報

・ペットの写真(印刷物、携帯の画像など)

・ワクチン接種状況、既往歴、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報

 

優先度③ ペット用品

・タオル、ブラシ

・ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途)

・ビニール袋(排泄物の処理など多用途)

・お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品

・洗濯ネット(猫:屋外診療・保護の際に有用)

・ガムテープやマジック(ケージの補修、段ボールを用いたハウス作り、動物情報の掲示など多用途)

 

災害はいつ起こるか分からず、最悪の場合命に係わることがあります。もしも何かあったときに、すぐに避難できたり、避難先で困ったことがないように、日頃から避難用品の準備をしておくと「やっておいて良かった」と思えると思います。何か不安なことや分からないことがございましたら当院までご相談ください。

 

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