ノミ・マダニ予防 マダニ編

皆さんこんにちは!元住吉からき動物病院看護師の本間です。今年は暖冬で、2月でもポカポカする日が多いですね☀暖かい時期だからこそ気を付けなければいけないノミ・マダニについて、前回に引き続きお話します(^^)/

 

皆さんはノミやマダニからどのようにして愛犬・愛猫を守っていますか?家の中を常に清潔にしていても、人が外から帰ってくるときや、愛犬と散歩をしているときに、ノミやマダニはあらゆるところに潜んでいて、動物を狙っています。ノミ編に続いて今回は、マダニについてお話します。マダニは皮膚の疾患を引き起こすだけでなく、犬にはバベシア症、人間には最近話題となっている重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という重篤な疾患を引き起こす可能性もあります。マダニの特徴や活動域などをしっかりと理解して、適切なマダニ予防をしましょう。

 

マダニの特徴

 ダニ類には多くの種類があり、さまざまな環境で生息していますが、マダニ類はダニの中では大型で、2mm程度のものから、吸血すると30mmまで大きくなることが特徴です。そのため、肉眼でも発見でき、一見イボのようにも見えます。マダニは、屋外の樹木や草の葉先に待機し、動物が通りかかったときに動物の体に付着します。そして、比較的皮膚の薄い頭や耳、頸部、足先などに移動し、皮膚に口部をうめこみ固定して吸血します。

 

 

マダニの生活環

①成ダニが動物に寄生し、産卵のために大量に吸血

②地上に落下し、何千もの卵を産む

③卵から孵化「幼ダニ」

④動物に寄生し、吸血

⑤地上に落下し、脱皮「若ダニ」

⑥再び動物に寄生し、吸血

⑦地上に落下し、脱皮「成ダニ」

  以下、①~⑦を繰り返す

 

 

マダニを見つけたら

マダニが寄生しているのを発見したら、ピンセットなどでとります。ただし、少し引っ張っても取れないようでしたらすぐにやめて、動物病院でとってもらいましょう。マダニは口部をしっかりと食い込ませているため、無理やり引っ張ってしまうとマダニの頭部だけが皮膚に残り、皮膚炎を起こしたり、マダニの唾液が動物の体内に逆流して、感染マダニだった場合は感染症にかかってしまう恐れもあります。もし、動物用医薬品の予防薬を1ヵ月以内に投与している場合であれば、寄生後48時間以内にマダニが死ぬ可能性が高いです。自然落下するか、付着していても突けばポロっと落ちることが多いので、ご安心ください。

 

マダニが引き起こす疾患

犬バベシア症

バベシア属の原虫がマダニの唾液を介して犬の体内に侵入し、赤血球に寄生することにより溶血性貧血を引き起こす疾患です。潜伏期間は一般的には2~3週間で、症状としては赤血球破壊による貧血・粘膜蒼白、脾腫、40℃を超える発熱、元気や食欲の喪失、黄疸、血尿がみられ、重症になると3~4週で多臓器不全により死に至ることもあります。主にバベシア症は、マダニが吸着してから48時間で感染するといわれているので、マダニの付着を定期的に(散歩後など)チェックすることが重要です。

 

ライム病

ボレリア菌がマダニの唾液を介して犬や人間の体内に侵入することによって引き起こされる人獣共通感染症です。潜伏期間は1~3週間で、犬に症状がみられるのはまれですが急性症状として発熱、元気や食欲の喪失、跛行や起立不能、全身性痙攣などがみられることがあります。一方、人間に感染した場合、数日から数週間の潜伏期間後に刺された部分を中心とした遊走性紅斑、発熱や筋肉痛などのインフルエンザ様症状、顔面神経麻痺、移動性の関節炎などが症状としてあらわれます。

 

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

2011年に中国の研究者らが発見したSFTSウイルスによる感染症で、2013年には日本で初めてSFTSに感染していた人が発見されて以降、マダニが媒介する感染症として注目が集まっています。潜伏期間は、6日~2週間で、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、意識障害、出血症状などがあらわれます。重症になると多臓器不全になり死に至ることもあります。致死率は6.3〜30%といわれ、有効な治療法はなく、対症療法になります。人から人へは感染しますが、動物から人への感染は報告されていません。

 

マダニの予防

マダニの脅威から守るには徹底的な駆除・予防が必要です。マダニは冬にはいなくなると考えがちですが、冬になっても活動は止まらず、あたたかい家の中にも侵入してきます。家の中は1年中過ごしやすい気温ですので、マダニにとっては天国のような場所です。したがって、マダニ予防は1年中行わなければなりません。

マダニの予防には、マダニの予防薬や駆虫薬を用いることも重要ですが、散歩から帰ってきたときにマダニが付着していないかチェックを行うことも重要です。発見が遅れてしまうと感染症にかかる恐れもあるので、日常的なケアをしっかりと行いましょう。

予防薬にはさまざまな種類がありますが、それぞれの長所短所がありますので、比較をしてみて、その子にあった予防薬を利用しましょう。予防薬については後ほど紹介していきたいと思います。

 

 

いかがでしたでしょうか?マダニは動物にも人間にも恐ろしい病気を媒介します。その病気を防ぐには、定期的なマダニ予防が一番有効です。また、マダニは皮膚のやわらかいところに付着するので、散歩の後などは動物とのコミュニケーションもかねて、全身チェックすることをお薦めします。マダニについて何かわからないことや不安なことがございましたら、元住吉からき動物病院にご相談ください。

 

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