ノミ・マダニ予防 ノミ編

 皆さん、あけましておめでとうございます。元住吉からき動物病院看護師の本間です。今年も何卒よろしくお願い致します。今回は、夏だけでなく今の時期にも気をつけたほうがよい、ノミとマダニについてお話したいと思います。

 さて、皆さんはノミやマダニからどのようにして愛犬・愛猫を守っていますか?家の中を常に清潔にしていても、人が外から帰ってくるときや、愛犬と散歩をしているときに、ノミやマダニはあらゆるところに潜んでいて、動物を狙っています。まず今回はノミについてお話しします。ノミは皮膚の疾患を引き起こすだけでなく、瓜実条虫の寄生を媒介したり、人には猫ひっかき病を引き起こす可能性もあります。ノミの特徴や活動域などをしっかりと理解して、適切なノミ予防・駆除を行いましょう。

 

ノミの特徴

ノミの種類には数種類いますが、犬や猫に寄生するノミは「ネコノミ」というノミが多いです。成虫の体長は2mm程度であり、動物に寄生しているのは全体の5%の成虫だけです。

つまり、残りの95%のノミの卵、さなぎ、幼虫はカーペット や寝床などの周りの環境の中で生活しているのです。

 

 

ノミの生活環

①成虫は犬や猫に寄生する

②成虫が吸血後、24~48時間で産卵

③卵が床に落下

④落下した卵が孵化し、幼虫になる

⑤幼虫がカーペットなどに潜り込み、脱皮を繰り返す

⑥脱皮を繰り返した幼虫はさなぎになり、成虫に羽化する

⑦犬や猫が寄生するのを待つ

  以下、①~⑦を繰り返す

こうした生活環は、梅雨や夏の時期になると 最短でなんと約2週間で行われます。

 

 

ノミの検出方法

ノミは動きがすばやく、動物の毛などに潜り込んでいることもあるため、ノミの発見は難しいですが、動物の毛や皮膚に黒い点々のようなものが見えたら、濡らしたティッシュペーパーなどの上に置いてみてください。すると、点々のまわりに赤茶色の色素がにじみ出てきます。これがノミの糞になります。ノミは動物の血液を餌にしているので、糞に血液の色素がでて、茶色くなるのです。もし黒い点々が見えたら、この方法を試してみるのもいいかもしれません。

 

ノミが引き起こす病気

 

ノミアレルギー性皮膚炎

 ノミの吸血時に、唾液中に含まれるハプテンという物質が動物の皮膚から吸収されてアレルギー反応を引き起こし、皮膚炎となります。

 症状としては、耳の後ろや背中から腰にかけて、あるいは尾から肛門や陰部のまわりの皮膚に、脱毛やプツプツとした赤い発疹がみられ、かゆみを伴います。大量に寄生するとかゆみが増し、睡眠不足になることで貧血をもたらすこともあります。

 

瓜実条虫症

 瓜実条虫は100個を超えるウリの種のような形の節(片節)が連なっていて、内部に8~15個の虫卵をもっています。この片節がひとつずつ千切れて、動物の糞便とともに排出されます。片節が乾燥すると破裂し、虫卵がまき散らされ、それをノミの幼虫が食べるとノミの体内で感染子虫となります。ノミが成虫になり、動物の体表に寄生したとき、動物がグルーミング時などでノミを呑み込んでしまうと、感染する、という経路をたどります。

 多数の瓜実条虫が寄生すると、動物は食欲がなくなり、軟便あるいは下痢をして、毛づやがなく、栄養不良の状態になることもあります。ふつうは、動物は肛門のまわりに違和感があるため、肛門部をしきりになめたり、尻を地面にこすりつけて前進したりします。このような動作をするときや、うんちを注意深く観察すると、白いゴマのようなものを見つけることがあります。これは条虫の片節なので、瓜実条虫に感染している可能性があります。

 

猫ひっかき病

  原因となるのはバルトネラ菌やアフィピア菌という細菌の一種で、菌を保有したノミが犬や猫に吸血することで感染します。菌は感染した犬猫の爪や唾液中に存在しているため、犬や猫では無症状ですが、人が引っかかれたり咬まれたりすると感染します。潜伏期間は2週間程度で、発熱、傷近くのリンパ節がはれるなどの症状がでますが、重篤な症状に至ることは少ないです。しかしながら、全身の倦怠感、頭痛、喉の痛みを伴い、まれに眼病変、脳炎をおこしたりすることがあるので注意が必要です。

 

ノミの予防

ノミの脅威から守るには徹底的な駆除・予防が必要です。成虫はもちろんのこと、卵やさなぎ、幼虫などが環境中に潜んでいますので、成虫を駆除したからといって安心できません。また、ノミは冬にはいなくなると考えがちですが、冬になると尚更家の中に侵入してきます。家の中は1年中過ごしやすい気温ですので、ノミにとっては天国のような場所です。したがって、ノミ予防は1年中行わなければなりません。

 ノミの予防には、ノミの予防薬や駆虫薬を用いることも重要ですが、定期的な掃除、散歩から帰ってきたときにノミが付着していないかチェックを行うことも重要です。発見が遅れてしまうと感染症にかかる恐れもあるので、日常的なケアもしっかりと行いましょう。

 予防薬にはさまざまな種類がありますが、それぞれの長所短所がありますので、比較をしてみて、その子にあった予防薬を利用しましょう。予防薬については後ほど紹介していきたいと思います。

 

いかがでしたでしょうか?ノミの成虫を駆除したからと大丈夫!と安心していては、次々と卵が孵化し動物たちを襲ってきます。このようなノミのサイクルを断ち切ることができるのは、定期的な予防をするのが一番です。予防については後日お話ししますが、ノミ・マダニ予防について、何かわからないことや不安なことがございましたら、元住吉からき動物病院へご相談ください。

 

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