犬のワクチンについて

こんにちは!元住吉からき動物病院の動物看護師、本間です。5月初旬に犬のワクチンについてのコラムをあげましたが、大切なことなのでもう一度おさらいをしましょう!

ワクチンといえば、打たなければならないと考えていらっしゃる方が多いと思いますが、ワクチンをなぜ打つのか、考えたことはありますか?ワクチンの種類によって予防できる感染症はさまざまですので、打たなくていいワクチンを打ってしまった、とか、必要なワクチンが打てなかった、なんてことにならないように、ワクチンについての知識を深めていきましょう。

 

ワクチンについて
ワクチンには、主に感染症に対して、病原性を弱くした病原体を注入する生ワクチンと、病原体を死滅させた成分からできた不活化ワクチンがあります。犬のワクチンでは、病原体の種類によりますが、生ワクチンと不活化ワクチンの両方が混合されているワクチンも用いられています。ワクチンは、基本的に成犬は1年に1回の接種を薦めています。ただし、子犬の場合は母犬から与えられた抗体(移行抗体)が存在しているので、移行抗体がまだ残っている時期に接種してしまうとワクチンの効果は十分に得られないといわれています。したがって、子犬にワクチンを接種する時期は慎重に考えなければなりません。また、体調不良のために免疫力が低下している動物に対してワクチンを接種するのも、効力が十分に得られませんので注意が必要です。体調が万全のときにワクチン接種をしましょう。

 

 

ワクチンの種類
以下の表は、犬のワクチンの種類と、最初の予防接種の適切な時期を表にしたものです。

ピンク…コアウイルス:重大な症状を引き起こし、幼齢動物に感染すると死亡することも多い感染症で、必ず防御すべきウイルス病。

 

 

予防できる感染症について

◆ジステンパー
非常に伝染力の強い犬ジステンパーウイルスによる病気で、死亡率も高く、最も高い確率で感染するのは、残存する移行抗体が防御レベルを下回る6~12週齢のワクチン未接種の子犬です。感染後7日から、おもに尿中にウイルスが長期間にわたって排出されます。

【感染経路】・・・感染動物との直接接触、感染動物からの排泄物との接触・吸入

【症  状】・・・発熱、咳、膿が混じった鼻汁、下痢など

てんかん様発作や麻痺などの神経症状が認められる場合もあり、とくに若齢犬で重度の症状に なります。

 

◆犬パルボウイルス感染症

犬パルボウイルスによる急性で強い伝染力をもつ感染症で、糞便中に排出されるウイルス量が非常に多く、感染後数週間にわたってウイルス排出が続きます。
【感染経路】・・・感染動物からの糞便との接触、ウイルスを含む糞便に汚染された器具・機材に接触
【症  状】・・・発熱、激しい血便、嘔吐、白血球減少など

致死的になることも多く、子犬に突然死を起こす場合もあります。

 

◆犬アデノウイルス1型感染症(犬伝染性肝炎)

伝染性の強い犬アデノウイルス1型が原因の疾患で、症状から回復した犬は6~9か月間ウイルスを排出し続けるので、ほかの動物への感染が拡大しないよう注意が必要です。

【感染経路】・・・感染動物の尿や糞便・唾液の直接接触、それらで汚染された飲食物や器具に接触

【症  状】・・・慢性の肝臓障害、発熱、嘔吐、下痢、腹痛など

ほとんどは無症状ですが、幼齢犬ほど死亡率は高くなり、突然死することもあります。また、回復するときに目が青く濁る症状(ブルーアイ)が認められることがあります。

 

◆犬伝染性気管気管支炎(ケンネル・コフ)

ケンネル・コフとは一つの病名ではなく、伝染性が高い犬の呼吸器疾患全体を示します。犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型のウイルスなどが原因となり、これらが混合感染することによって起こります。
【感染経路】・・・感染動物の唾液やたんなどの気道からの分泌物の吸引
【症  状】・・・上部気道炎、肺炎、発咳、発熱など

一般的に症状は軽いですが、幼齢犬は感染しやすく、症状が重くなる傾向があります。

 

◆犬コロナウイルス感染症(コロナウイルス性腸炎)

コロナウイルスによる感染症で、感染後には何か月にもわたって感染犬の糞便中にウイルスが排出されます。

【感染経路】・・・感染動物からの唾液や糞便の経口摂取

【症  状】・・・下痢、嘔吐、脱水など

一般的に症状は軽いですが、幼齢犬が感染すると、症状が重くなる傾向があり、まれに 突然死することもあります。

 

◆レプトスピラ症

レプトスピラは、スピロヘータとよばれる細菌の一種で、非常に多くの宿主があり、さまざまな動物種に感染しうることから、人獣共通感染症(ズーノーシス)としても非常に重要です。この病気は感染した野生のげっ歯類の尿が、川や池、水田などに流れ、その水を動物がなめることによって感染するため、水辺でのレジャーや山などに犬をよく連れていくようであれば、レプトスピラのワクチン接種を薦めています。

【感染経路】・・・感染動物の尿に直接接触、尿により汚染された水や土壌の経口摂取または接触

【症  状】・・・発熱、関節痛、全身性の倦怠感、腎不全、多飲、黄疸、血小板低下による出血など

 

 

!!!ご注意!!!

 

ワクチンを接種すると、ごく稀にですが副作用がでます。おおよそ30分くらいでアナフィラキシーショックという急性のショック症状(ふらふらしている、歯茎が白い、呼吸の異常、体温の低下など)が起きますので、ワクチン接種後30分は動物病院で待機し、これらの症状が現れないか必ず観察をしてください。異常が現れたと思ったらすぐに病院のスタッフにお声掛けください。また、ワクチン接種後 数時間~2,3日後に蕁麻疹、顔の腫れ、嘔吐、下痢などが現れたら、これもワクチンによる副作用になりますので、ご報告ください。

 

これらのワクチンは、元住吉からき動物病院で扱っております。何かわからないことや、不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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