猫のワクチンについて

こんにちは!元住吉からき動物病院の動物看護師、本間です。いよいよ開院が近くなってまいりました。

準備の方も着々と進んでおります!12日と13日には内覧会を行いますので、ご興味のある方はぜひお越しください^^

 

さて、前回は犬のワクチンについてお話しましたが、今回は猫のワクチンについてお話しします。

ねこちゃんにワクチンを打っている方は少なからずいると思いますが、実は打っていない方が多いというのはご存知でしょうか?うちの子は完全室内飼いだから打たなくても感染しないし…と思っている方も多いと思います。完全室内飼いだからといってワクチン接種を怠ってしまうと、いつの間にか感染していてぐったりしていた!となってしまうことも可能性は低いですがゼロではありません。ワクチン接種は任意ではありますが、ワクチンを接種することにもメリット、デメリットがあります。また犬と同様、猫のワクチンにも、種類によって予防できる感染症はさまざまですので、打たなくていいワクチンを打ってしまった、とか、必要なワクチンが打てなかった、なんてことにならないように、メリット・デメリットをしっかりと把握して、ワクチンについての知識を深めていきましょう。

 

●ワクチンについて
ワクチンには、主に感染症に対して、病原性を弱くした病原体を注入する生ワクチンと、病原体を死滅させた成分からできた不活化ワクチンがあります。猫のワクチンは、犬と同様、基本的に1年に1回の接種を薦めていますが、子猫の場合は母猫から与えられた抗体(移行抗体)が存在しているので、移行抗体がまだ残っている時期に接種してしまうとワクチンの効果は十分に得られないといわれています。したがって、子猫にワクチンを接種する時期は慎重に考えなければなりません。また、体調不良のために免疫力が低下している動物に対してワクチンを接種するのも、効力が十分に得られませんので注意が必要です。体調が万全のときにワクチン接種をしましょう。

 

 

●ワクチンの種類
以下の表は、猫のワクチンの種類と、最初の予防接種の適切な時期を表にしたものです。

ピンク…コアウイルス:重大な症状を引き起こし、幼齢動物に感染すると死亡することも多い感染症で、必ず防御すべきウイルス病。

 

 

予防できる感染症について

◆猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)(猫ヘルペスウイルス感染症)
猫ヘルペスウイルスが原因の感染症で、猫インフルエンザ(猫風邪)とも呼ばれています。ワクチンは症状を抑制することができますが、ウイルスの感染を防ぐことはできません。また、感染猫のなかには無症状の猫もおり、分泌物中に病原体を排出するものもいます。
【感染経路】・・・感染猫からの分泌物の経口摂取、鼻粘膜などから感染
【症  状】・・・くしゃみ・鼻汁などの呼吸器症状、流涎、皮膚潰瘍、中枢神経症状など

鼻炎が慢性化して蓄膿症にならないように、初期段階での治療が大切です。

 

 

◆猫カリシウイルス感染症(FCV)
猫カリシウイルスによる感染症で、伝染性が強く、兄弟間などで次々に感染、発症することが多いです。ワクチンは症状を抑制することができますが、ウイルスの感染を防ぐことはできません。また、感染猫のなかには無症状の猫もおり、分泌物中に病原体を排出するものもいます。
【感染経路】・・・感染猫からの分泌物の経口摂取、鼻粘膜などから感染
【症  状】・・・舌や口腔内に水疱や潰瘍、食欲不振、流涎、肺炎など

 

 

◆猫汎白血球減少症(FPL)(猫伝染性腸炎、猫パルボウイルス感染症)
猫パルボウイルスが原因で引き起こされる病気で、非常に感染力が強く、また抵抗力も強いため、感染猫に使用したものはすべて廃棄し、感染猫は隔離します。
【感染経路】・・・感染猫からの糞便の直接接触、猫用食器や人間の手指・衣類に接触など
【症  状】・・・嘔吐、下痢(血便)、高熱、白血球減少など

幼齢猫が感染すると、数時間から数日で急激に衰弱し、死亡することもあります。
妊娠している猫に感染すると、胎児の小脳形成不全を起こし、生後運動失調や採食不能などの症状があらわれることがあります。

 

 

◆猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫に感染することによりリンパ腫や白血病などを起こすことのあるウイルス感染症です。おもに感染猫の唾液中に大量に排出されるので、多頭飼いの家の猫や、ほかの猫と接触する可能性がある猫はワクチン接種を薦めています。ヒトには感染しません。
【感染経路】・・・感染猫とのけんかによる咬傷、猫同士のなめ合い、食器の共有など
【症  状】・・・リンパ腫の場合 呼吸困難、吐出、腎不全、神経症状など(腫瘍化する場所による)

白血病の場合 貧血、好中球・血小板減少に伴い、元気食欲消失、発熱、出血傾向など
その他 多発性関節炎などの免疫介在性疾患、再生不良性貧血、流産・死産など

※猫白血病ウイルスに感染している場合、免疫介在性疾患によりワクチンを接種しても十分な効果が得られません。

したがってワクチンを接種する前には、このウイルスに感染しているかどうかの検査が必要になります。

※この感染症に対するワクチンを接種した部位に、肉腫が発生することがまれにあります。2~3ヵ月で消滅しますが、

3ヵ月以上腫瘍のようなものがある場合や、その腫瘍が大きくなっていると感じるのであれば、一度動物病院で見てもらいましょう。

 

 

◆クラミドフィラフェリス(クラミジア)感染症
クラミジアという細菌の一種が原因の感染症です。もっとも発症しやすいのは2~6ヵ月齢の子猫だといわれています。治療には抗生物質を2~3週間持続して投与する必要があり、症状がなくなったからといって自己判断で投与を中止してしまうと、再発・キャリア化する恐れがあり、体調を崩したときに再び症状が現れることがあります。クラミジアは目やにや鼻汁などから排出されるので、多頭飼いの家の猫や、ほかの猫と接触する可能性がある猫はワクチン接種を薦めています。
【感染経路】・・・感染猫との接触、猫同士のなめ合い、食器の共有など
【症  状】・・・初期症状:片眼の縁が赤く、涙目、目やにがでる →両眼に結膜炎、口腔内の炎症

重度:鼻炎や呼吸器症状、子猫の場合は命にかかわることも

 

 

!!!ご注意!!!

 

ワクチンを接種すると、ごく稀にですが副作用がでます。おおよそ30分くらいでアナフィラキシーショックという急性のショック症状(ふらふらしている、歯茎が白い、呼吸の異常、体温の低下など)が起きますので、ワクチン接種後30分は動物病院で待機し、これらの症状が現れないか必ず観察をしてください。異常が現れたと思ったらすぐに病院のスタッフにお声掛けください。また、ワクチン接種後 数時間~2,3日後に蕁麻疹、顔の腫れ、嘔吐、下痢などが現れたら、これもワクチンによる副作用になりますので、ご報告ください。

 

 

いかがでしたでしょうか?ねこちゃんにワクチンを打つことによって感染症にかかっても重症化しないので安心できますが、まれにですが副作用も出ることもご理解いただけましたでしょうか。ワクチン接種は任意ですので、ねこちゃんにワクチンを打つか打たないか、また、どのワクチンを接種するかは、ねこちゃんの周りの環境に応じて飼い主さんが決めてください。ただ接種するか決めるにあたっては、獣医師とよく相談することも大切です。何かわからないことや、不安なことがございましたら、元住吉からき動物病院にお気軽にご相談ください。

なお、これらのワクチンは、当院でも扱っております。

当院は2018年5月16日開院予定です。5月12、13日に内覧会を開催いたします。

ご興味のある方は是非お気軽にお立ち寄りください。

 

 

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